【レビュー前日譚・野球記事風】何故「オイルヒーター」を選んだのか。監督が期待する「ベテランの利点」と今後の展望
あまりにも早すぎる判断、その裏にあった葛藤
およそ40日間の末に出した結論は、あまりにも早く残酷だった。
新進気鋭の若手である「デロンギ マルチダイナミックヒーター MDHU12」のレンタル契約解除が6日、発表されたのである。
ただし、これは何も突然の話ではない。
予兆として、契約解除の2日前となる4日、同メーカーのオイルヒーターである「デロンギ ベルカルド」の支配下契約を発表していた。
新機軸を捨ててまで選んだ「型落ち」
一見、メリットがあまりなさそうな契約であることは誰の目から見ても明らかだ。 デロンギを返却したとしても、オイルレスのほうが利点は多そうなものである。
「オイルがない」ことによるメリット、市場の変化
「マルチダイナミックヒーター(以下MDH)」はオイルが封入されておらず、代わりに金属モジュールを熱して部屋を暖める。 その構造の変化により、オイルヒーターの2倍の速暖性と、本体重量の軽量化、バランスの改善というメリットを手に入れた。
この製品は後に市場に大きな影響を与えている。 かつてのオイルヒーターは、大手とジェネリック家電メーカーが製造しており、新興メーカーの入る隙はなかった。 格安の品はあっても、小型の製品ばかりだ。
しかし、オイルレス方式の登場により、新興メーカーだけでなく、これまでファンヒーターなどが主力で輻射熱方式に消極的だったコロナなども製品をリリースした。 格安帯も本体価格が1万円台で十分なパワーを持った商品が登場している。
つまり、予算の都合だとしても選択肢はあるのだ。 そんな中、何故わざわざ旧式のオイルヒーターを選んだのか?
MDHを使用して露呈した「メリットの薄さ」とは
すてらびっと監督曰く、「製品の特性に疑問点があった」という。 監督が注目したのは、部屋の暖房として機能する前段の「本体の暖まり方」である。
「パネルの1個1個が緻密に制御されているのは温度計で計測するとわかるんですが、下が冷たいんですよ。疎かになっているというか。」
実は、MDHの普及モデルでは下部が暖まらないのだ。 フラッグシップモデルの「ソラーレ IDH15」では、この問題は解決されているようだが、中古やセールでも5万円程度と、本体価格が高額である。
監督の判断の理由は「自身のミス」も。
監督は次のように語る。
「失敗した点は、レンタルした製品のサイズが小さかった。ただ、それでむしろ吹っ切れた。サイズアップも考えたが、仕組み的に引っかかるんじゃ不満は残ったままになってしまう」
更に続け、今回のベルカルドという選択の理由をこう語った。
「いくら速い、軽いと言っても、モヤモヤするものを使い続けるわけにはいけない。」
オイルヒーターの構造に着目、パワー対策も
監督が何より注目したのは、50年の歴史を持つ基本構造だ。
オイルヒーターは下部にオイルを暖めるためのヒーターがあり、それによって温まったオイルは上へ循環していく。MDHと比較して暖まりの遅さはあれど、不満点を少しはカバーできるのではないかと睨んだ。
今回の選択でパワー不足の懸念も「無くなりました。13畳用ならウチでも太刀打ちできる」と自信を覗かせる。
断熱対策は「引き続きやっていく」 今季の運用方針は「メリハリ」
今回をきっかけに、運用方針も変えると監督は語る。
断熱対策も「冬だけでなく夏も効くので、引き続き強化する」と力の入ったコメントを残す。
MDHやオイルヒーターが敬遠される日本特有の住宅事情
MDHやオイルヒーターなどの輻射熱暖房を有効に活用する鍵はなんといっても「気密性」である。
ヨーロッパやアメリカなど英語圏のレビューでは、「電気代が嵩む」といった日本のレビューとは真逆で、むしろ省エネルギーな暖房として選択されている実情がある。
それらの地域と違う点は住宅の気密性の高さである。
日本の住宅は湿気対策で通気性を重視しているため、相性が悪い暖房のひとつとされている。 今でこそ改善はされているが、木造や軽量鉄骨の古い住居では暖まったそばから逃げていくという弱点がある。
「実は昨年の1月頃に導入を考えてたんですが、それにしてはあまりにも隙間風や冷気の『隙』が多すぎる。ドア自体からも冷気が来るし、ドアや窓からの隙間風、キッチンやクローゼットなど課題は山積みですよ。」
2025年シーズンに冷気対策を大幅強化
昨年12月にMDHの導入を決めた時に、ドアや窓の冷気対策として断熱シートを貼った。
その結果、ドアの表面温度は12℃から15℃に上昇している。 その他、ドアの金属部分や窓のサッシなど、冷気が伝わる箇所に断熱シートを貼り、対策を強化している最中だ。
「キッチンとかクローゼットはもう断熱材でも突っ込んじゃおうか考えてます。工事できないんで適当に。」 と苦笑しながら語る。
「電源オフか超低温運用」という選択肢の失念が今回の結果を産んだ
監督がもうひとつ「自分のミス」と語るのは、24時間運用だ。
就寝時や外出中にエコモードで17℃ほどに設定していたが、結局温度を維持し切れずに電気の使用量は上がっていた。
Looopでんきのアプリで監視していると、1日あたりの電気使用量は10kWhをゆうに超え、結果として1月の電気代は12000円。エアコン使用時は9000円だったことを考えると、馬鹿にできない差である。
しかし、この結果にむしろポジティブに立ち向かうのが監督流。
就寝時や外出時の運用方法について、 「あまりにも余計だった。外出中や就寝時は切って、起きる前に暖めればもっとコストは抑えられた。」
IoTデバイスの活用で更なるコスト減を目指す
実は監督宅には安いながらもIoTデバイスがあり、赤外線リモコンを登録して操作も可能である。 更にアプリでスケジュール動作ができる機種であるにもかかわらず、「漫然と運用してしまったのは失敗だった。」と振り返る。
しかし、筐体の破損やセキュリティの懸念から、使用を避けていた面もある。ただし、それを言い訳にはできない。 本体のタイマー機能でカバーは可能だったのである。
「長時間の外出や就寝時はオフにするか、完全に冷まさない程度に維持して、帰宅前や起床前に上げる。これがベストだったんじゃないかと悔やんでいます。」
次回のヒーターはオイルなので蓄熱性の高さが強みだ。 その特性を引き出すべく、緻密な戦略を立てる構えだ。 破損していたIoTデバイスも「自作」に入れ替え、コスト減を目論む。
「Aliexpressで技適対応のESP32ボードを買いました。セキュリティ面は一応クリア可能で、赤外線に絞れば部材も安く済む。組むのは初めてですし、C++でプログラムするという初の試みですが、食らいつきます。」
今回のオイルヒーターへの入れ替えへの気合いは並ではない。 既に暖かい陽気も覗かせる2月だが、「気温が頻繁に変わる時はむしろチャンス。利用してノウハウを学ぶ」と、前のめりな姿勢だ。
「2月から慢心してはいけない。この時期に2週間連続で雪が降ったり、4月に雪が降ることもある。まだまだ油断出来ないです。」
と、過去の職場や声優現場で培った過去の経験からこう語る。
まだ、冬は終わらない。つまり、すてらびっと監督の戦いもまた、終わらないのである。