【冒頭にお知らせあり】Linux生活は6日で終焉。苦しめられ、時間を溶かし、振り回された全記録。
まずは、活動名変更のお知らせ。
自分は元々、「ひうが」というHN、更に別名として「猛攻型ことねP」として活動していました。 しかし、リアルでの懸念事項があり、急遽「Stellorbit(すてらびっと)」という名前に変更し、先日までこの名前をメインに活動してきました。
しかし、本当に馴染まない。 使い分けも曖昧だったので少しダルかった。 なので、活動名を 「猛攻型ことねP a.k.a. ひうが」 に戻すことにしました。
実は少し裏話というか小ネタというか。 「猛攻型ことねP」というHNはある動画投稿者さんの名前を参考にし、野球要素を微量含んだ名前にして使い始めました これが殊の外気に入ってしまい、使い続けて今日に至ります。
そして、先日ことねのちびぐるみを入手しました。 それもあり、今後は 「猛攻型ことねP」のプライオリティを少し上げます。
さて、まとめると「前の名前に戻します」ってことです。 告知も済んだところで本題に行きましょう。
軽快さと自由を求めて行った先は地獄だった
現在のPCになる前はRyzen(Zen3)で組んでいた。いかんせん流用品が多く、経年劣化の懸念もあった。 折角スペックが良かったそのPCをバラして売却、それで得たわずかな資金でHPのワークステーションを血眼で探して購入した。
そのスペックは以下の通り。
| 製品・各パーツ | 内容 |
|---|---|
| 製品名 | HP Z2 SFF Workstation G4 |
| CPU | Intel Xeon-E 2124G |
| RAM | ECC UDIMM 8GB(シングル) |
| SSD | 256GB NVMe |
| GPU | Intel Graphics 630(RAMから1GB拝借) |
| HDD | HGST DC310 4TB |
正直、この内容はWindows11には厳しい。 序盤・中盤・終盤隙だらけ。
プロセッサは頑張ってくれるが、RAMとSSDの容量が明らかにきつい。 しかも内臓グラフィックがRAMから1GB持っていくので、実効は7GBほどしかない。
Linuxに移行しようとしたきっかけ
「Coursera」という学習プラットフォームがある。 自分はその科目うち、Google公式資格コースの一部を無料で手に入れた。 AI関連2つと、サイバーセキュリティと、データサイエンス。
ただ、学習をするにあたって、障壁となったものがある。 それは、Windows11とChromeの動きの緩慢さ。
そこで気づいた。このPCでWindows11は戦いづらい。
そこで敢行したのが、「Linuxへの移行」 だった。
善は急げといわんばかりに、前から気になっていたディストリビューションのISOをダウンロードし、Ventoyに入れた。
それは、「Rocky Linux 10.1」 だった。
ZorinやMintはつまらない
近年のWindowsからの移行なら「Zorin OS」や、「Linux Mint」などが候補に挙がるだろう。
ただ、あれらはとにかく 「面白くない」 の一言だ。 言ってしまえば、「腑抜けた」ディストリビューションの二大巨頭。
初学者にとってはいいのかもしれない。 しかし、Linuxの「牙」を引っこ抜いて 万人向けに仕上げたそれらをデュアルブートで触ったことがあるが、全然魅力を感じなかった。
そんなわけで、RHEL系を積極的に選んでいた。 Debian系は後に触るが後述。
Rocky Linuxのインストールは極めて順調に進んだ。 しかし、そこからが前途多難だった。
もはやWindowsより悪質なLinuxの困った習慣
自分は「DaVinci Resolve」という動画編集ソフトを愛用している。 幸いにもこれはLinuxにも対応している。
そんなわけで、インストールを試みたところ、「依存関係のパッケージが無い」 と駄々をこねられる。
Windows版の場合は、必要なものはインストーラーに入っている。 Visual C++ 再頒布パッケージが今回でいう依存関係に近い。
そんなわけで、指示されたものを入れたが、まだ「足りない」と言われる。 それを解決するためにリポジトリを追加し、パッケージを入れようとすると、 「そんなものは無い」 と言われる。
Linuxのパッケージには、「これ1個で依存関係が大体カバーできる」 みたいなパッケージがある。
しかし、バージョンが1個上がるとリポジトリから「消える」 のだ。
Web検索をしても、AIに聞いても、同じパッケージを入れろと言われる。 バージョンを明記しても同じ。 仕方なく、残り1個の依存関係はGitHubからクローンをしてビルド、そしてインストールが完了した。
しかし、動かない。 IntelのiGPUが認識されず、動画編集ができない。 そのためのパッケージを入れようとしても、また 「そんなものは無い」 と言われる。
ドライバーやコンポーネント類を整理しようと試みる。 すると、GPU関連のコンポーネントが消えたり無効化されたりして、GUIが動かなくなる。 修復手段は、Ctrl+Alt+F3でCLIに飛んで、Intel関連パッケージを入れて、再起動する。
これを繰り返して挙句駄目だったので、Resolveはあきらめた。
十数年ぶりに味わった「フリーズ」、そして使っていくうちに自然に不安定に
まだまだ終わらない。 何の作業だったか忘れたが、システム設定周りを少し触ったらフリーズした。 エラーメッセージもなく、ただ沈黙した。
OSを起動中に電源ボタンを長押しした経験は、Windows10やmacOSでも体感したことがなかった。実に十数年ぶりだ。 これはもうギャグとしか言いようがない。 なので今後さんざん擦り倒していくことにした。
これはかつてFedoraでも体感したことだが、使っていくうちにどんどん不安定になっていくのだ。 動作が引っかかったりフリーズしたり、エラーをことごとく吐いたりする。 この現象は、昔のメルセデス・ベンツの「自重でエアサスが壊れる」 様に似ている。
90年代のメルセデスSクラス(W140系)は、堅牢で、硬く、そして重い。 それが自らの足回りを傷めつけ、最終的に故障する。 おそらく修理費はまともにディーラーに出したら4輪100万円ほどだろう。 こちらはメルセデスの車体のように金がかからないが、時間を浪費する。
他にもRHELはアプリケーションのインストール方法が提供されていないなどの不都合が生じたので、次に行くことにした。
次の選択、それはLinuxに見切りをつけた決定打
次に手を出したのは情報の多いDebian系。しかしUbuntuではない。源流の 「Debian」 だ。 実は海外の動画を情報収集に使っていたのだが、Ubuntuはsnapだか言うパッケージがとにかく厄介だと聞いていた。
そんな厄介ごとは御免こうむるので、Debian 13を選定した。
ほぼ手ぶらでインストール作業が終わったそれは、「ついにベストを見つけた」という手ごたえがあった。 しかし、DebianだRHELだArchだの前の 「根本的なもの」 に苦しめられることになった。
精神を蝕み、時間を浪費させた「Pipewire」と「Flatpak」
動画編集ソフトもさることながら、自分は音楽制作ソフトも触る。 最近はご無沙汰だが、カバー曲の歌唱やリビルド、そして今回は動画のBGMの制作のためにDAWを使うのだ。
これがLinuxに見切りをつける大きな要因だ。
Pipewireネイティブは限られたソフトのみ
前説を挟むと、「Pipewire」 というのは、Windowsでいう ASIO、macOSでいうところのCoreAudioに相当する。 LinuxにはほかにもPulseAudioだのALSAだのあるが、どうも今はPipewireを推しているようだ。 正直これは、YouTubeを見たりする分には問題はなかった。
しかし、DAWとなると話が違う。Pipewireがネイティブで動くのは商用ソフトの 「BitWig Studio」 と 「Fender Studio Pro」 くらいなのだ。 あとはPipewireで直接鳴るわけではなく、「JACK」 というものを経由して音を鳴らす仕組みだ。
Linuxに対応しているDAWのうち、「Zrythm」 と 「REAPER」 の2つは、自分を大層苦しめた。 Zrythmはどう足掻いても音が鳴らず、MIDIキーボードも認識しない。 そこでREAPERを試してみたらさらに地獄だった。
ここで 「Flatpak」 が関係してくる。
Flatpakはさらっとしか調べないまま使っていたが、「Linuxの系統を問わず動く」 ことと、「依存関係が内包されたサンドボックス環境」 であることが利点のようだ。 自分にとっては、特に後者は弱点でしかなかったが。
REAPERは公式サイトで配布されているパッケージと、Flatpakの2種類がある。 公式サイトのパッケージでは 日本語化はされてもPipewireが動かず、Flatpakでは 音が鳴るが日本語ファイルやフォントが適用されない。
結局動作が確認できたのは、はるかに高額だがPipewireがネイティブで動く、「BitWig Studio」 の試用版だった。
そして、少しばかり足掻いてみたが、ついにとどめを刺された出来事があった。
「自由」のために「財産」を捨てるという馬鹿らしさ
自分は 「fabfilter Pro-Q 3」 というパラメトリックイコライザを愛用している。 まだ1ドル120円台だった頃、日本代理店では3万円程度するものが2万円弱で手に入るセールがあったので、そこで手に入れたものだ。 次期バージョンのPro-Q 4が出ているが、円安でアップグレードをためらっている品である。
ほかにも、「Plugin Alliance」 や、「Universal Audio」 など、様々なメーカーのプラグインで愛用している品は複数ある。 それらは普通に購入したり、無料で手に入ることもあった。UAのプラグインは大体それだ。
これらをはじめとした商用プラグインは主に、というかほぼ99%と言っていいほどWindowsかMac用に作られている。 同じ「.vst3」や「.clap」でも、使用できるOSは分けられている。 現に互換レイヤーを通じてインストールをして使用を試みたプラグインは、Windows用であることを示すアイコンが表示され、当然使用できなかった。
ここで自分ははっきりと見切りをつけた。 これまでWindowsやMac上で使ってきたプラグインが軒並み使えない。つまりは、
「自由を手に入れるために私有財産を捨てろ」 という通告に他ならなかった。
「ああ、もうこれダメだわ」と感じ、MSのサイトからisoを落とし、Ventoyに入れ、Windows11に戻った。 ちなみに、Windows11のセットアップはLinuxの環境構築より爆速で終わった。 プリイン削除・余計な機能のオフ・ResolveやDAW関連から開発やMarkdownエディタのインストール、ブラウザやパスマネの設定まで4時間で済んだ。
「自由」とは何なのか
さて、ここまで格闘して最後に投げ出した顛末を書いてきた。
これらを通して改めて思った。
「自由」というのは、いったい何なんだろうか。
折角ライセンスを持っている商用OSを捨て、それよりも選択肢が狭まるOSを使う。
商用OSで使用していたソフトやプラグインを捨て、代替品にもならない無料の品々で何とかこねくりまわす。
WindowsやMacではファイルを開いたり、アプリケーションフォルダにドラッグすればインストールできるものを、わざわざ依存関係を探し出し、それでも駄目ならビルドをかけ、何時間も浪費する。
Flatpakの権限とPipewireの仕様に振り回される。
日本語環境を構築する選択肢があまりにも多く、最適解をいちいち調べて導入する。
加熱式タバコのデバイスのファームアップができず、改善の恩恵にあずかれないまま使いづづける。
スマートフォンとの連携アプリはあるが、反応せず、連携は寸断される。
これらも選択肢のひとつだろう。
だが自分は、まっぴらごめんだ。
人々が商用OSやソフトを選ぶ理由
WindowsやMacといった商用OS。 MS Office・AutoCAD・Adobe Creative Cloud・Avid ProToolsなど、デファクトスタンダードとなり続けている商用ソフト。 VEGASやEDIUS、VOICEROIDなど、Windowsでしか動かないソフト。 アンチチートやDRMで縛られているゲーム。
これらを使い続けている人がいる。 それは仕事のためであったり、趣味であったり、やむを得ない事情だったり、背景は様々だ。
しかし、それを 「選ばされている」という言葉で一括りにするのを自分は好まない。 最近YouTubeのコメント欄でこのような言説を見かけるが、そのたびに反吐が出る。
OSやソフトウェアは元々、仕事でもない限り 「強制的に使わされる」ものではない。
じゃあ、なぜ商用OSやソフトを選ぶのか?
ある者は、何かを作り、披露するため。 ある者は、自らが抱いた野望や情熱や発想を落とし込むため。 ある者は、挑戦者の屍が積まれた高い壁に挑むため。 またある者は、誰かが紡いだ物語に思いを馳せるため。
彼らは、決してOSやソフトのベンダーに服従していない。
創作・ゲーム・仕事・新しい挑戦。 そのために、その選択肢を選んでいる。自分もまたその一人だ。
結びと警鐘
安易にLinuxを勧める人たちがいる。
その誘い文句は、 「自由・無料・フリー・オープンソース」 のほかに、 「追跡されない・新機能を押し付けられない・余計なことをしない」 という文言が最近、追加されている。
確かにWindows11はごちゃごちゃといろいろ入っている。 ただ、それらは消してしまえばいい。
Copilotが入った余計なメモ帳やペイントの代替品はいくらでもある。 フォトもメディアプレイヤーも必要ない。
OneDriveはいの一番に同期を切るか、アンインストールする。 テレメトリーや押しつけがましい通知は、トグルボタンでおおかた消える。
macOSはプリインストールアプリのほとんどが消せないが、設定がほぼ統一されていて、かゆいところにも手が届く。 対応のゲームタイトルは少ないが、創作をするならひとつの選択肢になる。
ひととおり設定して満足がいかないなら、GeminiやChatGPTにでも聞いてみて、方法を模索できる時代だ。
それすらままならないのであれば、もはやPCを捨ててスマートフォンやタブレットに移行してしまうのも一つの手だろう。 iPadやAndroidタブレットはLinuxより遥かに多目的な用途に 「安定して」 使える。
Linuxを使おうと思っている人へ
Linuxは、設計思想も、その結果も違う「別世界」のものだ。 本来はライトユーザーが気軽に使えるものではない。 いくらグラフィカル部分が多くなっても、コマンドを打ったほうが「話が早い」作りになっている。 そして、Windows・macOS・iOS・Androidで誰もが使うアプリは使えないもののほうが圧倒的に多い。
それでも使おうとするなら止めはしない。 Linuxに限らず、新しいものに触れるのに必要なのは「知識」ではない。「覚悟」と「探求心」だ。 使うことによって新しい知見が生まれることもある。これは確かだ。それはもう説明しきれないほどに。 そして、「もっと知りたい」と、動画や書籍を漁ったり、AIチャットにひたすら質問したりする。 そうして得た知見の集合体は、OSやソフトのライセンス、高価な機材などをはるかに陵駕する「資産」だ。
言ってしまえば、この記事に記したさんざんLinuxに振り回された経験も、自分の「資産」のひとつだ。
Windowsをこき下ろし、Linuxを持ち上げる人々へ
自分が使っている、気に入っているものを上げるために、他の物を下げる言動は、害悪以外の何物でもない。
そして勘違いしないでいただきたいのは、この記事はネガキャンではない。 自分が眼前に突き付けられた、純然たる事実だ。